「障がい者の性的ニーズへの対応について」FAQ:1

2007年12月19日(水)に、新潟青陵大学にて行われた

「障がい者の性的ニーズへの対応について」というテーマの

勉強会の中で出された質疑応答のまとめを掲載します。

*****************************

Q1:性介助を純粋な「サービス」として提供していくためには、

 性介助を排泄介助同様、「日常生活における生理現象の介助」として

 捉える必要がある、ということは理解できる。


 しかし、食事介助や入浴介助、排泄介助と比較して、

 「性介助」は、利用者がサービス提供者に対して、

 特別な感情=恋愛感情を抱きやすいのではないだろうか。


 さらに言えば、多くの障がい者の方は、単なる性欲の解消を

 求めているのではなく、「愛情表現としての性」、

 「自分の好きな異性との、深いコミュニケーション手段としての性」を

 求めているのではないだろうか。


 よって、生理現象の介助としてのプライベート・ケアサービスは、

 なかなか普及しにくいのでは?

*****************************


A:まさに、核心を突いた鋭い質問だと思います。

 野球で例えると、1回ノーアウトから、いきなり先頭打者に

 ピッチャー返しの痛烈なライナーを打ち込まれた気分ですね。


 この質問に対する私の回答は、非常に身もフタもないものに

 なってしまうのですが・・・

  プライベート・ケアサービスは、

  「日常生活における生理現象の介助」として

  性介助を利用したい、と考える人のみを対象にしたサービスである。


  よって、性介助と恋愛を混同してしまう人、

  または「愛情表現としての性」にこだわる人に対しては、

  最初からサービスを提供しない


 というものです。

 血も涙も無い、冷血動物じみた発言になってしまうのですが、

 私が上記のように考える理由は、以下の通りです。


理由1:「本当の愛」は、非売品だから


●かの「生協の白石さん」も著書の中で触れていましたが、

 「本当の愛」は、非売品です。

 仮に売られているとしても、何かの罠だ、と。


 そもそも、「愛情表現としての性」自体が、

 「金銭で購入可能なサービス」として、

 企業が提供できる代物ではないはず。


●キャバクラやホストのように、「疑似恋愛体験サービス」として

 売って売れないことも無いのですが、利用すればするほど

 心と財布が貧しくなるだけでしょうし、問題の根本的な解決には

 ならないでしょう。


 障がい者の方が、「愛情表現としての性」を欲している、というのは

 理解できますが、それは企業がサービスという形で

 解決できる範囲の問題ではありません。


理由2:「恋愛」と「性」を、(いい意味で)切り離したいから


●いわゆる「恋愛」と考えられていたもの、もしくは

 自分が「恋愛」と思っていたものが、

 実は「恋愛」でもなんでもない、

 単なる性的な欲求不満の表れでしかなかったり、

 恋愛知識や経験の不足からくる思い込みでしかなかったり、

 ということは、結構あると思うんですよね。


●恥を忍んで告白しますと、私も17歳のときに

 一度もまともに話をしたことの無いクラスメートの女子に

 片思い?をして、彼女の自宅を突き止めるべく

 バスで下校する彼女を、学校町から新大前付近(!)まで

 自転車(!!)で尾行したことがあります。

 新潟交通のバスが、自転車と同程度の速度だからこそ

 できた芸当でしたが、今なら間違いなく

 ストーカーとして補導されていますね。。。


●上記の例のように、本人が「これは純愛だ」と思っていても、

 客観的に見れば「いや、単なるストーカーだってば」

 「単なる性的欲求不満の表れでしょ」

 「単に、恋愛経験が無いゆえの一方的な思い込みじゃん」

 などの一言で片付けられてしまうことって、

 大いにあると思うんですよ。ええ、残念ながら。


 しかし、当の本人は大真面目&本気で恋愛を

 しているつもりになっているわけですから、

 当然精神的な飢え、欠落感があり、非常に毎日が苦しいわけです。


●そこで、そういった「性欲と愛情を混同してしまっている方」

 「恋愛知識や経験の不足からくる思い込み・錯覚に悩んでいる方」に、

 プライベート・ケアサービスを定期的に利用していただき、

 性的な欲求不満をすっきりと解消し、かつ

 サービスを受ける過程で、異性のケアスタッフとの

 会話経験をみっちりと積んでいただく。


 そうすれば、


 「あ、な〜んだ、自分は性欲と愛情を混同していただけだったのか」

 「今まで、異性とじっくり会話した経験が、ほとんど無かったよな。

 そのせいで、異性に対して過剰な幻想を抱いていたのかもしれない」

 「そういうことなら、別に無理して恋愛なんてする必要ないじゃん」

 「よく考えれば、他に楽しいことなんて、いっぱいあるんだし」


 といったように、(いい意味で)「性」と「恋愛」を

 切り離して考えられるようになり、

 「一生恋人ができなかったらどうしよう・・・」

 「恋人がいない自分は、人間失格だ!」といった

 毎日の不毛な思い悩み&プレッシャーから、自由になれるのでは、と。


●・・・後半はやたら生々しい話になってしまいましたが、

 以上の話をまとめると、私が考えていることは以下の通りです。


1.今の社会では、「性」や「恋愛」を楽しむことが、

 「いい人生を送るための必須条件」である、とされている

 (と感じる人が多い)。


2.そのために、健常者と比較して「性」や「恋愛」を

 楽しめない(と自ら思い込んでいる)

 障害者・要介護者の中には、

 「性を楽しめない、恋愛を楽しめない自分は、

 もう生きている価値が無い」と思い詰めてしまう人もいる。


3.よって、プライベート・ケアサービスを普及させることで、

 「性」を「食事や排泄と同様の、単なる生理的欲求」であり、

 「金銭で購入可能なサービスによって満たせるレベルのもの」という

 位置づけにまで、(あくまで、「いい意味で」ですよ)落としこむ。


4.それによって、「性」や「恋愛」について

 不必要に深刻に思い悩む人が減り、

 ストレスの少ない、風通しのいい世の中が実現できる。


 ・・・まぁ、非常に大風呂敷な話で恐縮ですが、

 漠然とこのような感じで考えております。


 もちろん、「愛情表現としての性」を

 否定しているわけでは全く無いので、

 韓流純愛ドラマ派の方々は、誤解なきようにお願いいたします!


 それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。


文責:プライベート・ケアサービス 代表
www.privatecare.jp


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