【2703日目】書評『ルポ コールセンター 過剰サービス労働の現場から』(朝日新聞出版:仲村和代)



以前取材して頂いた朝日新聞の仲村さんが新著を出されたということで、早速注文&拝読いたしました。

「追いつめられた人がまた他の誰かを追い詰める場所」というブルーハーツ的な帯のコピーが印象的ですが、コールセンターで起こっていることは、他の労働現場でも等しく起こっていることでもあると思いました。言うなれば「コールセンター化する社会」。

本来であれば高度な知識とコミュニケーションスキルが求められる場であるにもかかわらず、非正規雇用で短期間で離職する人が多い、というのは、比較対象としては不適切かもしれませんが、私が現在関わっている性風俗産業の現場にも共通することではと感じました。慢性的な人手不足、柔軟に働く時間を選べる、高時給(ではあるが高収入にはなかなかつながらない)、必ずしも違法やブラックであるというわけではない・・・といった側面が、何らかの事情を抱えた人たちを惹きつけるのでしょう。まさに、サービス社会のひずみが現れた最先端の「現場」です。

沖縄をはじめとする地方自治体によるコールセンター誘致問題も、非常に興味深かったです。資源の乏しい自治体が「誰にでもできる仕事」としてコールセンターを誘致してしまい、結果的に低賃金の過剰サービス労働で地域の人材が疲弊するというジレンマ。「誰にでもできるソフトな仕事です」とうたう風俗の高収入求人誌と、実は構造的には一緒なのではないでしょうか。

過剰サービス労働に対する解決策は一朝一夕には出せませんが、不毛な我慢比べやチキンレース、勝者不在の価格競争をやめて、色々な基準を良い意味で「ゆるめる」という視点、大事だと思いました。私も、個人的に電話はするのも受けるのも大嫌いなので(笑)、本書を契機に、コールセンターをはじめとする過剰サービス労働の現場が、今後少しでも良い方向に向かってほしいと思います。

コールセンターで働いたことのある人、これから働こうと思われている方、そして労働問題に関心のある方は必読ですので、ぜひ書店でチェックされてみてください。

*********************************
一般社団法人ホワイトハンズ 
 
代表理事 坂爪真吾(さかつめ・しんご)
 
私たちは、「新しい性の公共」をつくります。
 
新刊『はじめての不倫学』(光文社新書)、8月18日発売!

★ホワイトハンズ:2015年下半期のイベント予定

 

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

一般社団法人ホワイトハンズ代表理事・坂爪真吾

事業内容の紹介

リアルタイムのつぶやき

Facebook

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 (JUGEMレビュー »)
ジェームズ・C. コリンズ
ホワイトハンズのバイブルです。針鼠の概念!

recommend

非営利組織のマーケティング戦略
非営利組織のマーケティング戦略 (JUGEMレビュー »)
フィリップ コトラー,アラン・R. アンドリーセン

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM