【1854日目】デリヘル嬢の「真の敵」=適正化のための遵守事項の欠如

評価:
蔭山 信
東京法令出版
¥ 7,350
(2008-09)


早速、関連部分を読みました。いや、これは非常に面白い本ですね。文章も口語で、大変読みやすいです。かなり値は張りましたが、買って良かったです。

本著を読んで、改めて確認できたのですが、デリヘルの観点から見て、現行の風営法における最大のガン、デリヘル嬢の「真の敵」は、やはり「性風俗関連特殊営業に関して、適正化を指向した遵守事項が存在しない」点でしょう。

マンガ「デリバリーシンデレラ」の雫さんも、きっとここを変えたかったのだと思いますよ。

風営法において、デリヘルをはじめとする性風俗関連特殊営業は、「本質的にいかがわしいもの」「誰が、どのように営んでも、不健全になることをまぬがれないもの」と考えられています。

そういった「本質的にいかがわしいもの」「誰が、どのように営んでも、不健全になることをまぬがれないもの」は、行政が公的に認証したり、営業の適正化のためのガイドラインを作ったり、進むべき方向やビジョンを提示することはできない、という立場で、風営法はつくられています。

そのため、風営法には、デリヘルをはじめとする性風俗関連殊営業については、適正化を指向した遵守事項は、存在していません。

すなわち、デリヘルは、誰が、何を、どうやっても、「有害な存在」「社会の害虫」でしかないのだから、営業内容について、行政が指導や監督をする意味も必要は無い、という考えです。

その結果、デリヘルの世界は、性的虐待や人身売買まがいのサービスが平然と行われていたり、女性差別的な表現に満ち満ちた広告宣伝が常態化していたり、性病予防等の衛生管理がほとんど行われていなかったり、知的障害や精神障害のある女性が働かされていたりするような、完全なる「無法地帯」になってしまっている、と。

風営法の枠内では、上記の立法趣旨もあって、デリヘル嬢の人権や労働環境を守ることは、論理的に不可能です。そもそも、風営法は営業者を取り締まるだけの法律であって、女性を守るための法律ではありませんし。

そう考えると、第三者機関のNPO、及びデリヘルを経営する人たちが、「適正化を指向した遵守事項」を自主的に作成し、普及させていく以外に、デリヘルの世界の問題を根本的に解決する手段は無い、と思います。

当事者支援の活動や、性病予防・風俗嬢の社会的地位向上のための啓蒙活動ももちろん大切ですが、「適正化のための遵守事項の欠如」という巨大な穴を埋められない限り、ある意味では、穴の開いたバケツで水をすくい続けるような感じで、「何をやっても無駄」になってしまうんじゃないかな、と。

このテーマは、いつかセックスワーク・サミットで扱ってみたいですね。

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「性の専門職」育成プログラム:「ホワイトハンズ・プログラム」        

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