【1729日目】書評「女たちの21世紀」No.72【特集】風俗産業と女性」



昨日、事務局に到着して、熟読させて頂きました〜。

座談会の記事で、いきなりホワイトハンズの名前が出てきて、ビックリしました(笑)。


SWASHの要友紀子さん、私が大学生の頃から、ご著書を拝読したり、ご出演されていた風俗関連のトークイベントに参加していたりしていたので、個人的には「雲の上の人」みたいなイメージなのですが、こうやってホワイトハンズの名前を出して頂けるのは、非常に光栄であります!(嬉)

特集の中では、「夜の世界の労働問題〜キャバクラユニオンの相談事例から〜」が、非常に勉強になりました。

ホワイトハンズの新書でも書きましたが、キャバクラを含めた風俗営業、そもそも「労働」や「サービス」というよりも、「従業員から金を搾取するための仕組み」、すなわち、女性従業員や男性従業員、はたまた、その店の雇われ店長自体が(真の意味&悪い意味での)「顧客」である、という側面が強いですよね。

従業員、そして雇われ店長自体も、黒幕のオーナーや企業から見れば、「金を巻き上げる対象」でしかないわけですから、労働環境の向上もクソも無い、と。


風俗業界、例えるならば、「人食いワニの棲む村」なんですよね。

人里離れた山奥に、外界から孤立した村がある。その村は、様々な事情で、人里で生きていけなくなった人たちが集まる、はぐれものの村である。

その村には、野菜の取れる畑も、お米がとれる田んぼも、果物の実る森も、何もない。

ただ、一本の小さな川だけが流れていて、その村で生きていくためには、その川で、魚を取って食べるしかない。

しかし、川の中には、巨大な人食いワニがいて、魚を取ろうとして、そのワニに喰われてしまう人が後を絶たない。

さらに悪いことに、村の古参者は、そのワニとつるんでいて、新しく村にやってきた新参者をうまく騙して、ワニのエサにすることによって、ワニから魚のおこぼれをもらって、どうにか生活している。

こういった惨状は、人里離れた山奥での出来事なので、誰も知らないし、知ろうともしない。

では、どうやって、この現状を解決するべきか?

方向性は、2つあると思います。

1つは、正攻法で、ワニそのものを倒すこと。

といっても、貧しい村には、何も武器になるようなものはありません。

分厚い鋼の装甲のような皮膚で覆われたワニを、外側から倒すのは至難の技なので、誰かが、勇気を出して、ワニの口の中に飛び込んで、体内から攻撃するしかない。

いったんワニの体内に入ってしまえば、そこには、ワニに食べられたものの、まだ消化されていない人たちが、ギリギリで生きているので、そうした人たちと連携&共闘して、内側から、ワニを攻撃していけばいい。

特集の座談会を読む限り、SWASHの要さんは、この立場ですよね。つまり、「川に潜ってワニの口に入り、内側から倒そう」「そして、ワニに食われた人たちを助けよう」「村の人が、安全に魚を取れるようにしよう」という、内部改革派。

ただ、この方法の最大の問題点は、前述のキャバクラユニオンの例でも分かるように、村の人や、ワニの体内にいる人たちとの「連携」「共闘」が、ほとんど期待できないことにあるかと。

ワニに食べられた人たちは、皆「もう、脱出できるはずが無い」「どうせ、脱出しても、行く場所なんてないし」という諦めモードだったり、「ワニが食べた魚の残りで、どうにか生きていけるから、これはこれで、居心地がいいんだよ」「ワニを刺激しなければ、とりあえず、当面は消化されることは無いのだから、余計なことはするな」と、逆に怒られたりするわけです。

さらに、ワニを倒そうとすると、村の古参者が、「俺たちは、ワニのおかげ、簡単に騙される新参者のやつらのおかげで、どうにか生きていけているんだ。邪魔をするな」と、妨害してくるわけです。つまり、四面楚歌。

もちろん、「正攻法で、ワニを内側から倒す」ルートは、絶対に必要だと思います。

ただ、それだけでは、正直、勝ち目が薄い。

そこで、他のルートを、同時並行的に実施していくべきだと思います。


2つ目の方法は、「ワニの棲む川をせき止める」方法。

すなわち、村に流れる川の上流にダムを作って水をせき止め、川を干からびさせてしまう。

そうすれば、ワニは、陸上はほとんど動けない&生きていけないので、放っておいても、勝手に死にます。

その後、別の分水路を掘って、全く新しい川の道を作り、そこにダムから水を流す。その「新しい川」を拠点に、はぐれものの人たちが搾取されずに生活できるような、「新しい村」を、ゼロベースで再構築する。

私は、どちらかと言えば、こっち側なんですよね。「セックスワーク3.0」の発想も、完全にこちら側です。

つまり、現在の村(=ワニや村の古参者、食べられた人たち)をどうこうしようとしても、現実的にはどうにもならないことが多いので、それよりも、全く新しい村を作って、そちらに人を集める方にエネルギーを割いた方が生産的では、という発想。

ただ、当然、「川が干上がってしまったら、村の人は全員生きていけない」わけで、さらに、これは「ワニに食われた人を、全員見殺しにしろ」という発想にもつながるので、今年のセックスワーク・サミットでも、評判は物凄く悪かったのですが。

特集の座談会でも触れられていましたが、セックスワークの問題、大半は、セックスワークそのものが原因によって生じる問題ではなく、貧困や福祉、経済の問題なんですよね。

セックスワークに関する議論がなかなかまとまらない、というのも、そもそも「セックスワーク」というものの実態が無く、貧困や福祉の不備、経済格差などの構造問題が重ね合わさったものが、様々な偏見によって、「セックスワークの問題」として見えてしまうだけ、かと。

・・・などなど、非常に考えさせられる特集でした。性風俗の問題系に興味のある方は、ぜひ読んでみてください!

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「性の専門職」育成プログラム:「ホワイトハンズ・プログラム」          

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