【874日目】障害者の性@『ロスト・パラダイス・イン・トーキョー』

評価:
クラッシュ・イン・アントワープ,穣児
ビクターエンタテインメント
¥ 399
(2003-10-22)


【今日の一曲】:カップリングの『月とピストルと少年』が、とてつもない名曲です!どなたか、聴かれたことないですかね〜。


9月18日に公開予定の映画『ロスト・パラダイス・イン・トーキョー』(http://lostparadise.seesaa.net/)、サンプルを拝見させて頂いたので、「障害者の性」問題に関係のある範囲&ネタバレにならない範囲で、感想を書きます。


主人公が、知的障害者(=自閉症)の兄の性欲処理のためにデリヘル嬢を呼んだことがきっかけに物語が展開していく、というストーリーです。

「障害者の性」自体がテーマというわけではないのですが、随所に「障害者の性」にまつわる普遍的&典型的な問題が顔を出すので、この問題に興味のある介護福祉関係者の方は、一見の価値ありだと思います。


1.主人公の幹生と兄・実生との関係について

「自分の兄は普通だ」と言い張りつつ、兄を家に閉じ込めておく幹生の態度が、世間によくある「知的障害者の家族」というリアリティがあって、非常に良かったですね。

自分の人生がうまくいかないことの言い訳や、自分の自己満足・自己陶酔の手段として障害者を(言葉は悪いですが)意識的・無意識的に利用する、という登場人物たちの姿勢も、現実世界でよくあることなので、そのあたりにもリアリティを感じました。

実生役の方(ウダタカキさん)の演技も、自閉症者の特徴がよく出ていて、よく研究されているなぁ、と(偉そうな発言で恐縮ですが)感心しました。

障害者に関わっている家族や当事者の方々からも、全編を通して、違和感無く観てもらえる作品だと思います。


2.「障害者の性」について


知的障害者の中には、自力での射精の仕方が分からない、というケースがあるので、「欲求の発散方法が分からずにもがいている」自慰行為のシーンは良くできているなぁ、と感心しました。

作品中で「障害者専門のデリヘルがあるから、そっちに頼めば」という趣旨のセリフがありましたが、舞台である埼玉〜東京には、おそらく障害者「専門」店は無いです(対応可能なお店はあると思いますが・・・つまらない突っ込みですみません笑)。

また、障害者向けのデリヘルはおおむね身体障害者を対象にしたところが多く、自閉症をはじめとする知的障害に対応できるところは少ない、というか、ほとんど存在しないと思います。もちろん、作中の実生さんのようなケースの場合は、通常のデリヘルでも対応可能だと思いますが。

また知的障害者による幼女暴行+暴行未遂事件に関しては、「レイプしようと思ったからではなく、ただその子を好きになっただけだったから」というケースは、非常に多いと思います。射精の仕方自体が分からないのに、「レイプ」という概念や欲求を持っているのは、おかしいですしね。

このあたりも、きちんと自閉症者の現状をリサーチして作品を作られているなぁ、ということが伝わり、好感が持てました。


3.その他

内田慈さんのデリヘル嬢の演技の巧さ(入室時の作り笑い、会話のしつこさ、すれっからしな感じ)が「いかにも」な感じがして、個人的には面白かったです。

私共のNPOで、セックスワークをきちんと資格化・制度化して、専門職として確立しよう、という企画を練っているのですが、そのよい反面教師?になりました。


4.まとめ

私共のNPOの専門分野である「障害者の性」という観点からみれば、全く違和感の無い、非常に入念なリサーチのもとにつくられた作品であるということが伝わり、とても好感が持てました。

ぜひ、多くの方に観て欲しいと思います!

http://lostparadise.seesaa.net/


というわけで、ブログの前のよいこのみんな!9月18日は、ポレポレ東中野にて、『ロスト・パラダイス・イン・トーキョー』と握手!(強引)


====================

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コメント
もう時効だと思うので話します。

私が居た施設には知的障害者も沢山いて、棟は違いますが時々会う事が出来ました。

私が気に入って遊んでいた男性で知的障害者の方が居て絵のモデルもしてもらって楽しかったんですよ。


ある夏の日にボランティアが知的障害者の施設の方へ来て色々とお世話(遊び相手)をして下さっていました。

私も棟は違いましたが、顔をだして一緒に話していました。

一人の女性ボランティア(後に職員として務める)の方が私の友人の男性知的障害者の方に自慰行為を教えているところを見ました。

体育館の道具入れの片隅で「こうしなさい」と優しい声が聞こえて見てみると、二人で向き合わせになって教えていました。

私に気が付いても動揺する様子も無く「みんなに教えたいけれど無理ですよね」と笑顔で微笑んでいました。

私はその時、何も答えられませんでした。

後に職員とおなって話しますが、「あれはしてはいけない事だったと思う」と言っていました。

私はそうは思っていません。

ですから、ホワイトハンズに協力してほしいと頼んでいるところです。
 知的障害の方々に自慰の仕方を教えたり、映画のように風俗利用を行うのはいいことだと思いますが、その後のことまでフォローしていかないといけませんよね。
 知的レベルににもよりますが、自慰などをしてはいけない場、異性なら誰(特に本人が興味を抱いた異性)でもいいわけではない…ということを判らせてあげないと、かえって混乱を招くだけになってしまいますからねぇ。
 あとは、年齢でも許される・許されないことがありますが、大概12〜3歳ぐらいまでなら、抱き着いたり胸を触ったりしても怒られることは無かったのに、ある日を境に「すべてNG」になるのが難しいところですよね

 そういったことを理解できないようなら自慰など教えなければいいという「寝た子を起こすな」というものもありますが、そうではなく理解できないのなら代替策を考えたり、長期的に反復を繰り返すなどのサポートまで行うべきですよねぇ。

 昔、ショートステイで療護施設に行った時など、ところ構わず自慰されてる方が居まして、職員が見つけて『○○さんダメ!』って手を叩いて叱っている光景を見ていましたし、知的障害者施設での「抱き着き」で辞めていく職員、ボランティアに来た方々への「触り行為」などは日常的なことで済まされているのも確かですよね。
  • 菅原@京都代表(器ではない)
  • 2010/08/22 11:14 AM
「抱きつかない・何所でもしない」と言う事を教える事は大事です。

その教え方も大事です。

自慰行為が始まる青年期(少年)から親では無く、第三者が「性」の大切さを具体的に教える必要性が有ると思います。

それには、ホワイトハンズのような専門的な知識とポリシーを持った組織が必要だ。と思います。

性教育は誰でも早ければ早いほど良いと思います。

それは、障害者であれ健常者であれかわらないと思います。

例えば、算数を知的障害のある方に幼い時から教えてると健常者以上の能力を発揮できます。

これは私の体験から言えることです。

得意不得意ははありますが幼い時の教えが大きく人生を変えることは事実です。
知的障害や発達障害の性教育に関しては、先行研究&参考文献が、山のようにありますよね。ただ、先行研究の量と問題解決の度合いが比例する、というようには、なかなかいかないと思いますが。

そういう意味で、様々な分野で、実践者の方々にどんどん出てきてほしいですね。「ホワイトハンズがやらねば、私がやる!」といった有志の登場に期待したいです。
  • ホワイトハンズ代表@愛妻家
  • 2010/08/23 3:24 PM
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