【1797日目】はぐれメタルに「魔法」は効かない
評価:
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図書館でレンタル。2006年の「Sweet Revolution」が最高ッス。懐かしいなぁ・・・。
昨年、「障害者の性」卒論取材協力をさせて頂いた学生の方から、卒業論文の完成版を送って頂いたので、許可を頂いた上で、ホームページに掲載いたしました。「女性障害者の性」の焦点を当てた論文です。
まさに卒業論文のお手本のような、しっかりした論理構成に仕上がっていると思います!来年度、このテーマで卒業論文を書こう、と思われている方は、ぜひ参考になされてみてください。
論文の中で、ホワイトハンズのことも(批判的に)取り上げて頂き、感謝いたします!
論文、批判的に書いてナンボな世界だと思いますし、論文の中でほめられても特に嬉しくない(笑)ので、ガンガン叩いて頂ければ、と。
今回の論文では、「既存のロマンティック・ラブ・イデオロギーを強化する」という視点から、射精介助への批判がなされていますが、なかなか、いい線行っていると思いますよ。いや、偉そうな発言ですみません(汗)。
あえて反論するならば、「ロマンティック・ラブ・イデオロギーを強化しているからダメ」という批判の論理、ぶっちゃけ、どこにでも&何に対しても、使えるんですよね。まぁ、「何でも切れる魔法の包丁」みたいなもんです。
ジェンダー理論、フェミニズム系の思想って、基本的にそうですよね。物事を批判する思考枠組みとしては、ほぼ最強の「魔法」だと思います。
私も、イベントや学会で、しょっちゅう、この手の「魔法」を唱えてくる女性に絡まれますしね(笑)。
ただ、これらは、「何でも切れる」だけであって、それだけでは、料理は作れないんですよ。切った後に、煮たり、焼いたり、盛り付けたりしないと、料理にならない。
射精介助に関して言えば、確かに「既存のロマンティック・ラブ・イデオロギーを強化している」という側面が、観念的に見ればあるかもしれませんが、そんな抽象的なことよりも、「全国に数えきれないほどいる、数年、数十年、場合によっては一生、射精をできない重度身体障害者の人たち」の役に立つことの方が、圧倒的に大事で、社会的な意義のあることでしょう。
そもそも、私自身が、この「魔法」を、大学でどっぷり2年間やった人間なので、ある意味では、この手の批判が来るのは、完全に織り込み済みでやっています。
つまり、ホワイトハンズに、「魔法」は効きません。ドラクエ風に言うと、魔法の効かないはぐれメタルみたいなものです(笑)。
「既存のロマンティック・ラブ・イデオロギーを強化している」というのは、端的に優先順位の問題で、「確かにそうかもしれないけれども、そんなこともより大切なこと、やらなければならないことが、山ほどありますよね」というだけの話です。
先日の風俗フォーラムの記事でも書きましたが、学問の理論や思考枠組みは、それ自体を使うことが目的ではなく、それを使って、いかに社会的な成果を出せるか、人の役に立てるのか、ということにあると思います。
そういう意味で、学生の皆さんには、ぜひ、大学時代に覚えた「魔法」を、社会に出てから、生産的な方向に、ビシバシ使って頂きたいですね。
というわけで、来年度も、「障害者の性」というテーマで卒論を書きたいと考えている、全国の大学生の皆様に、協力させて頂きたい、と思いますので、ご希望の方は、お気軽にお申し込みください。宜しくお願いいたします。
一般社団法人ホワイトハンズ
代表理事 坂爪真吾(さかつめ・しんご)
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- 2013.02.28 Thursday
- 2013年2月の開発日誌
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